【3D VR】Googleの新VRプラットフォーム「Daydream」とは?!

  • 2016年7月7日
  • 2017年12月21日
  • 3DVR

Googleが開発者向けカンファレンス「Google I/O 2016」を開催し、その基調講演でモバイルVRプラットフォーム「DayDream」を今秋にリリースすることを明らかにしました。このDayDreamについて紹介します。また、最近の新しい3D VR動画も紹介します。

ASCII.jpの記事から引用

VR業界の動向に日本一詳しいと自負するエヴァンジェリスト「VRおじさん」が、今週のVR界の出来事をお知らせします!
Daydreamはグーグルによる高品質なモバイルVRのプラットフォーム。対応するスマートフォン、ヘッドマウントディスプレーとコントローラー、アプリで構成されるそう

どもども! VRおじさんことPANORAの広田です。今週、VR業界で存在感を示したのはモバイルの分野。前回取り上げたGear VRに取り付けるスマートフォン「Galaxy S7 edge」が発売され、さらにGaer VRを使ったVRアトラクションも楽しめる「Galaxy Studio」が東京駅前の商業施設にオープンする(PANORAの記事)など、国内ではGear VRが大躍進でした。

一方、アメリカでは5月19日からグーグルが開発者向けカンファレンス「Google I/O 2016」を開催し、その基調講演でモバイルVRプラットフォーム「DayDream」を今秋にリリースすることを明らかにしました。このDayDreamをピックアップしてきます。

Cardboardを使用するためのアプリは、これまでに5000万インストールされたそう

Google Cardboardの上位版

グーグルは、ご存知、モバイルOSのAndroidをリリースしている企業です。そして今まではスマホを利用する、段ボール製VRヘッドマウントディス プレー「Google Cardboard」を発表していました。Cardboardでは、本体は設計図を公開してさまざまなメーカーにつくってもらったものを使い、アプリはそ れぞれGoogle PlayやiTunes App Storeからダウンロードする形態でした。側面に磁石付きのスイッチを用意し、視界のポインターで対象をみつめて、このスイッチを下に引くことでアイテ ムを選択するという操作も可能です。

Cardboardがいいのは、とにかく安いということ。手持ちのスマホに千円ちょっとからの金額で売られているHMDを足すだけで、視界いっぱいが映 像に覆われて、360度全周が見渡せるというVR体験を実現してくれます。Cardboardで初めて「映像の中に入るってこういうことなのか」と、VR の楽しさの一端に気づいた人も多いはずです。日本で言えば、同じ段ボール製HMDの「ハコスコ」の貢献も大きいですね。

ただ、残念ながら段ボールの隙間から光が入ってきて完全に視界が遮られないので、どうしても「あちらの世界」にいる感覚は削がれてしまいますし、アプリを切り替えるたびにいちいちスマホを外さなければいけないのも面倒です。

というわけで生み出されたのが、普及帯の上位に位置するDaydreamでした。

グーグルが開催した開発者向けカンファレンス「Google I/O 2016」。その基調講演で公開されたDaydreamのヘッドマウントディスプレー

頭の動きから表示までの遅延が20ミリ秒以下

Daydreamは、まず表示の遅延が大幅に改善されています。前回もちょっ と触れましたが、Gear VRでは首を振ったときの映像表示が「ヌルヌル」というのが大きなメリットでした。Oculusでもこの人間の動きから実際に表示されるまでの 「Motion to Photon」の時間を20m秒以下にしようと、さまざまな仕組みをRiftやGear VRに組み込んでいます。

Daydreamに対応するスマホはこの8社から登場

Daydreamでは、まずGoogle I/Oで発表された次期OS「Android N」において、VRモードをサポート。OSレベルでのセンサー検知と描画をサポートしたうえで、対応する「Daydream-Ready」なスマートフォ ンを、サムスン電子、HTC、LG、シャオミ、ファーウェイ、ZTE、ASUS、アルカテル──という8社からリリースします。そうしたソフトとハードの 両面から攻めることで、20m秒以下の「Motion to Photon」を実現したそうです。

コントローラーはクリッカブルタッチパッド、アプリとホームボタンの構成になるようです

モーションコントローラーが付いているのも大きいですね。単に再生/一時停止や音量の調節などだけでなく、コントローラー自体を動かして操作することが 可能。グーグルはデモとして、コントローラーで釣りをする様子を披露しています。Gear VRはBluetoothのゲームコントローラーを使うので、動きで操作できるDaydreamのリモコンはよりVR向きですね。

こちらがデモで披露された、コントローラーで釣りをするシーン
ホーム画面もなにやら楽しげ

Daydreamのヘッドマウントディスプレーを外すことなく、アプリを切り替えたり、購入できたりするホーム画面の新設も大きなトピックでしょう。コ ンテンツプロバイダーも北米向けですが、CNNやNBA、IMAX、MBL、ゲーム系ではEA、UBISOFTなど、名だたるところが参加を表明してい て、アプリの増加を感じさせます。

ニュースやスポーツ、ゲームなど、コンテンツも盛りだくさん

というわけで、グーグルは「プレミアムモバイルVR」ともよばれているGear VRの領域に、ガチンコでDaydreamをぶつけてきたわけです。

一方で、惜しむらくは位置トラッキングがサポートされていないことでしょう。グーグルは「Tango」という空間認識&ARのプロジェクトを進めており、専用センサーを含むスマートフォンをすでにリリースしています。例えば、周囲をスキャンして、床を認識させ、そこに猫を出現させて遊んでる様を楽しむといったことが可能です。

空間を三次元で認識できるので、このTango対応スマートフォンをVRヘッドマウントディスプレーに使えば、要するにユーザーの頭がどこにあるか外部 にセンサーを置くことなく位置トラッキングが可能になります。いきなり機材を取り出して、パッと目につけて位置トラッキングが可能になるのは、モバイル VRの手軽さをさらに推し進めてくれます。

今回はコストがかかるのか、特に発表してきませんでしたが、今後は何か動きがあるかも? ともあれ今回のイベントで、グーグルというIT業界における巨人の存在感をVRでも示したことになります。実際の製品がどのくらいのクオリティーを実現で きるのか。今秋のリリースに注目です。

■関連サイト

 

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まとめ

Daydreamを使うにはDaydreamに対応した(Android N)スマートフォンに買い替えなければならないので、私の場合は今のスマートフォンが非公式の対応化が可能か調査が必要です。かといってサムソンのGear VRだとサムソンのスマートフォンも同時に買わなければならないので実質的にはやはり難しいです。

ということで、Daydreamがリリースされる今年の秋までどうするか検討するとして、それまではダンボール製3Dゴーグルで楽しむことにします。

最近見つけたというか、番組はすでに終了しましたが、まだ紹介していなかった最後のPR動画です。
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<1>と<2>は以下の記事にありますので、観てください。

【3D VR】3Dゴーグル(立体メガネ)を使わず3D動画を楽しむには?!

ではでは、きらやん